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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:Good-Bye, Dear My Little Lover... 月城 憂様) 長編 完結

美しい宝石のような目を持つ子どもたちは、ただひとりのためだけに誕生し、生き、死んでいく。
どことも知れぬ世界で繰り広げられる、狂おしき愛憎の物語。

まるで鳥篭のような世界観、そこを満たす生と死と愛情がすごく印象に残る作品です。
殺し屋が夜の街角で白髪に赤い目をした兎のような子どもを拾うところから物語りは始まり、一幕ずつ過去へ遡ることで明らかになっていく真実に、いつしか飲み込まれるようにして読みふけっていました。
構成が面白いな、とも思いましたね。
主人公が幕ごとに移り変わっていく、けれど根っこの部分はひとつで、語られているのはひとりの男とそして宝石たちの人生で。
初めは宝石たちの視点からストーリーを見ていたので『彼』もそれに準じた存在だったのですが、三幕目でやられました!
読んでいる最中は、とにかく圧迫感と閉鎖的な空気が息苦しいほどで、ものすごく辛い。痛いと言ってもいい。けれど、同じだけすごく切なくなる悲しいお話だとも思いました。
面白かった、と単純に言い切るには重苦しいお話でしたが、私はこういう世界観好みです。
ちなみに何となく殺し屋の狼さんが好きだ!

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(掲載サイト:Due persone 蜥蜴野散歩道様) 完結済み シリーズ継続中

王を頂点とする王国であり、汚染された大地から抜け出した人々の住まう浮遊する都市、ファイラン。
電脳魔導師と呼ばれる国の守護者の一人、「スティール・ブレイド」の通り名を持つ青年・ハルヴァイトと、彼の恋人であり「誰にも触れられない」ミナミ。
ふたりの恋と、都市を揺るがす隠された真実のお話。

私が昔から大好きな作品のひとつです。
満を持して、ではないですが…何とか感想をまとめられそうだな、と感じましたのでご紹介を。

この作品の魅力といえば、電脳魔導師という特殊な設定もそうですが、ハルヴァイトとミナミというふたりのキャラクターではないかと思います。
常識はずれの実力を持ち、その過去から周囲の人々に距離をとられながらも、実は意外と愛されちゃっているハルヴァイト。彼がその目に映す世界はとても特殊なもので、それゆえに彼自身、世界を「睥睨」することが常となっています。
そんなハルヴァイトにとって唯一といってもいいほどに特別な存在が、ミナミという青年。
過去の境遇ゆえにミナミは他人に触れることができません。それでいて、人々の目を集めずにはいられない独特の空気をまとうミナミと、彼の傍らに寄り添い続けるハルヴァイトの関係性そのものが、作品にある種の色を添えているように感じました。
ハルヴァイトと彼の隊に所属する仲間たち、ミナミと周囲の人々との軽快で絶妙なやり取りも楽しい。
特にミナミは作中最上位に輝く突っ込み属性の人なので、彼が不在の会話が尻切れトンボに終わっちゃうところなどもついつい噴出してしまう。
誰もがひとりひとり、様々な事情を抱えている。その上で成り立つ交友関係と愛情、人の縁、そういったものが複雑に絡み合いながら展開していきます。
錯綜する人間関係、その繋がりを思うとすごく面白かったです。
人と人との繋がりを世界に置き換えると、やっぱり広大なものなんだよなぁと思います。

電脳魔導師というかなり特殊でオリジナルの設定が使われているので、最初のうちは理解しづらくて戸惑うかもしれません。
けれど、読み進めていくうちに不意にどっぷりとはまり込んでいることに気づかされる。あの設定だからこその、このお話なのですね、きっと。
今までに何度読み返したかわからないほど、私にとっては思い出した時にぐっと読み直したくなるようなお話です。
とにかく大好き。

ひとつ注意点として、主人公であるハルヴァイトとミナミはふたりとも男性です。
同性同士の恋愛を扱ってはいますが、BLとカテゴライズするのもちょっと違うかなぁと思います。BLが苦手な方がどう感じられるのか私にはちょっと判断しづらいのですが、意外とこれなら平気!って方も多いんじゃないかと思います。
ファイランは年齢制限ありませんが、サイト内には年齢制限のかけられた作品も置かれています。そちらもご留意の上でご訪問をお願いします。

(掲載サイト:へいじつや 古戸マチコ様) 短編連作 完結

空き缶のような怖くない恐怖の大王と、飼い主である家族たちのほのぼの日常コメディ。

これはもう、ショートコメディとしては私の中で最高傑作です!
難しいこと何も考えずにただただ笑える作品です。
執筆されたのがちょっと昔と言うこともあって、折々に登場する時事ネタが懐かしさ満載なところも面白い。1999年に本当にこんな大王が現れてたらすごい楽しかっただろうなぁ、なんて。
さっくりと読めるところもいいですね。

(掲載サイト:金曜日は雨がいい 忍野G様) 長編 連載中

孤高の怪盗「山猫」が残したコレクションの数々。
新米盗っ人のマットはある日、コレクションのひとつを所有する画廊へ盗みに入ったところ、所有者である画廊オーナーのブルースと鉢合わせして不本意にも妙な縁を結んでしまい――。

素敵な作品を読み終えた後に読後感に浸るのも読書の醍醐味ですが、その前段階、あらすじを目にして「これは…!」と期待に胸を膨らませる高揚感というのもクセになるものです。また、その期待が裏切られなければなお最高というもので。
この作品も、cocoにとってそんなうちのひとつでした。

それにしても、何とも楽しいお話です。
主要キャラクターが全員何がしか裏社会に足を突っ込んでおり、第一章では互いの持つ情報や機転を最大限に活用して騙し騙されいかにして相手を出し抜くか、といったある意味マットとブルースの戦いのお話でもあるんですが…笑い転げながら読み進めていました。
マットの迂闊さやブルースの俺様加減も大変素敵でしたが、そんなブルースがマットに翻弄され出し抜かれるシーン、次の場面では逆にマットがブルースにやり込められて…など攻防の様がすごく楽しい。しかし年齢差を考えるとブルースも大人気ないな。
情報屋であるフランキーの立ち位置などは読んでいる途中で察しがついて、いつバレるんだろうかとこちらもその時をわくわくしながら待っていたり。
彼らが追い求める「山猫」のコレクションにまつわる謎も捨て置けない。
山猫とは一体どんな人物だったのか、コレクションに隠された秘密とは何なのか、マットと山猫の関係とは何なのか。
謎に満ちた現代の怪盗、というモチーフも非常に心くすぐられました。先の展開、謎解きや種明かしが楽しみな作品です。

恋愛的な意味合いでストーリーに絡むことはありませんが、作中には同性愛要素も含まれています。
苦手な方はご留意の上、自己責任にてご訪問をお願いします。

(掲載サイト:no-seen flower 由紀様) 長編 完結

大学生の雫はある日不思議な穴から異世界へ落ちてしまう。
そこは魔法が当たり前に存在する世界。
彼女はエリクという魔法士の協力を得て、彼とともに元の世界へ帰る方法を求める旅に出るのだが――。

以前ご紹介させていただいた>「Unnamed memory」より数百年後の世界を舞台とした、同じサイト様の作品です。
ネット上に異世界召喚系の作品は星の数ほどあれど、こちらは中でも群を抜いて秀逸な作品だと思います。
雫は三人姉妹の真ん中で、個性の強い上と下に挟まれ、曖昧な己の立ち位置に悩みを抱えています。そんな彼女が突然異世界に飛ばされてしまい、エリクという相棒とともに大陸中を駆けずり回るのですが…やがて彼女は大きな真実を知ります。大陸の歴史から消え去った真実、魔法大国に眠る真実、己の身に潜む真実、あらゆる真実を。
読み終わった時の読後感とインパクトには、何ともいえぬものがありました。

ストーリーにも深みがあり複雑なつくりではありますが、展開自体は読者にわかりやすいシンプルな筋道に沿って進んでいきますので読みにくさは感じません。色んな小ネタが効いていて、あとでわかった時に「あ!」とかにやりと笑える部分がたくさんあるのも面白かったです。
一度目は何も知らないがゆえに、二度目はすべてを知っているがゆえに作中に散りばめられた数多の伏線に目を留めて楽しめる、二度三度とおいしい作品だとも思います。ミスリードの仕方なども作者さんのセンスと腕がこれ以上なく発揮されていて、非常に衝撃を受けました。
キャラクターもいいですね!
雫も目覚しい成長を遂げて日に日に逞しさとマイペースさを増していくようでしたが、あれは間違いなくエリクの影響もあったのではないかと。彼は彼で我が道を行くタイプというか、なかなか他人には理解しにくいテンポを持つ人なので、あの二人のコンビはもうとっても大好きです。
本編完結後も何かと弄られ遊ばれ愛でられる不憫の人、ニケの登場にもご注目を(笑)

男女コンビが主役のお話ではありますが、本編では恋愛色は限りなく薄いです。というより、あの時点ではほとんど恋愛は絡んでこないといってもいいと思いますので、そういったラブストーリーが苦手な方にもオススメです。

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