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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:M.S.CITY モロクっち様) 中編 完結

安笠摩央は17歳で死ぬことになっている。
庭の大樹を御樹様と崇める旧家の一人娘である彼女は、何不自由のない生活の中、預言された死を諦観のままに待つような日々を送っていた。
やがて訪れたその日、摩央を迎えに来たのは樹木の尾を持つ人外の男だった。

現代を舞台としたダークFT。
お薦めとしてご紹介させていただきながら、スプラッタや残酷描写の苦手な方にはちょっと不向きな作品かなぁと思います。
でも、この作品の持つどこか時代錯誤な耽美さ、すっごく好きなんです!
序盤は主人公である摩央の日常生活が主となるのですが、「ごきげんよう」が決まり文句のお嬢様学校に通う社長令嬢の生活というものがまず、現代っぽくない。けど、そんな普通とはかけ離れた世界の中で摩央が犯しているとある罪が、僅かなリアル感をかもしているような気もします。

哭帥(クー・シュアイと読みます)も非常に濃ゆいキャラですね!
時代錯誤そのものな格好もそうですが、物言いが突き抜けて尊大でよいです。若い男じゃなくって40代(に見える)おじ様っていうのもまた! その彼が摩央に恋をして、うろたえたり迷ったり開き直ったりしている様がちょっと楽しかった。
キャラクターとしては、彼の友人である刀夫人もまた印象深いです。後半、何人かのキャラクターが狂気に犯されるのですが、中でも女性陣のそれはすごく怖かった。半端ない。

恋愛の歪み具合も、この作品ならでは…かなぁ。
けっこうグロテスクな描写も多いですが、読後感としては悪くなかったです。ハッピーエンドとは言えないかもしれないけれど、彼らが幸せならいいのかな、と。
あと、根竹さんって作品の中のちょっとしたオアシスかも、と思いました(笑)

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(掲載サイト:籬の花 絵里衣様)

十九世紀末、ロンドンを恐怖の渦に陥れた「切り裂きジャック事件」。
特派員として事件を担当していたアメリカ人記者のウォルターは、帰国の船上で喪服姿の美女・クレアと出会い、心惹かれる。
一方、ウォルターの相棒ダニエルは、切り裂きジャック事件で手配されている犯人に酷似した不審な男を船の中で見かけ――。

以前ご紹介させていただいた「十六夜綺譚」と同じ作者様の作品です。
舞台は打って変わって、十九世紀末の英国及びアメリカ。皆さんよくご存知の、かつて実際に起こった切り裂きジャック事件を元に構成されたミステリーです。
主人公はニューヨークの新聞社に勤める記者、ウォルター。真面目でやや潔癖、相棒のダニエルとは対照的に女性に対してまるで免疫のない(というか苦手意識の強い)男性なのですが、だからこそでしょうか。クレアを一目見て一瞬で恋に落ちてしまう彼の一喜一憂する心情が、とても自然に感じられました。

ミステリー小説を書かれる方ってすごいなぁと、改めて思わされた作品でした。
あんまり語ってしまうとものすごいネタバレになってしまいそうなので自重しますが(笑)、この作者様のストーリーの組み方というか(十六夜綺譚でも言ってましたが)最後のオチ、素晴らしいです!
読み手と書き手の暗黙の了解みたいな終わり方が、ミステリならではの余韻、とでも言うのかな。面白かったです!

(掲載サイト:円舞曲 雨村侑佳様) 長編 完結

緊張すると微熱を出す癖がある夏目。いつも落ち着かせてくれたのは、年上の従兄だった。
高校二年の春、新任教師として壇上に現れたのはその従兄。その上マンションの隣に引っ越してきたらしく、夏目は従兄の孝太郎に振り回される毎日を送る羽目になり――。

軽快でテンポのいい、楽しいラブコメディでした。
夏目から浴びせられる罵声をものともせずに彼女に付きまとう孝太郎、行動力は抜群です。けど少し新鮮だったのは、マイペースで強引ではあるけれど、俺様男じゃないんですよね。夏目自身は気づきませんが、彼女の反応を逐一気にしてる様子が何となく感じられて、女の子主人公の一人称でありながら読み手には孝太郎の密やかな必死さが伝わってきたりする。
というか、たぶん傍目にはあからさまなくらい、尽くす男なのでは。孝太郎って。

夏目の親友である真由子も好きです。
本編では夏目のよき相談役であり、要所要所でさり気なく助言をくれたり励ましてくれるよいお友だちなんですが、拍手のお礼小説まで読むと、また別の面が見られますね。可愛いなぁと思いました。

とある方からご報告をいただきまして、以下の修正をいたしました。
もうちょっとリンクチェックしっかりやらなきゃ駄目ですね! 助かりました、ありがとうございます!

ビヨンド」(移転によりリンク先変更)

あと、細かい部分いくらか弄ってます。
一覧のリンクも今日明日くらいには繋ぎたい!

(掲載サイト:SPINGO 佃木犬星様) 長編 完結

半身に「斑」を持つ少女、ナシ。
刻まれた経文を見世物にされ、孤独に生きる彼女はある日、謎の僧に襲われ、川へ逃れる。溺れていたナシを救ったのは、森如と嵐核というふたりの男だった。
斑の真実を知るため、ナシは彼らとともに旅立ち――。

和風ファンタジーの作品なのですが、舞台のモデルとなっているのは平安あたりの日本、なのでしょうか。
平安と聞いて私がまず思い浮かべるのは源氏物語なのですが、華やかな宮中の世界とはまた違う、地味で過酷な最下層の生活からまず話は始まります。
ナシという少女がまた可愛いんですよ。初めの頃は怯えて小さく縮こまり、おどおどしている子なんですけど、森如や嵐核と触れ合ううちにその心が少しずつほぐれていく。
傷つきながらも擦れたところのないナシに、男二人がだんだんと情が湧いてヤられちゃっていく過程が何とも楽しかったです(笑)
方や堅物、方や豪放磊落とまるでタイプの違う彼らが口げんかしているその後ろを、ナシがちょこちょことついて歩いている光景とか想像すると和むなぁ。

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