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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:香炉孤影 河野晶様) 中編 完結

パン屋を営む祖父と二人暮らしの悠馬は、ある日突然見知らぬ世界へ迷い込んでしまった。
知らない光景、知らない言葉。雨の中、途方に暮れる彼に差し伸べられたその手は、悠馬にとって新たな生活の始まりとなり――。

剣も魔法も竜退治だって関わらない、ひとりの青年の異世界における奮闘記です。
突如異世界に飛ばされて、王子様だとか騎士だとかに囲まれて世界の存亡をかけた事件に巻き込まれるのも悪くはない。けれど、そんな荒々しく煌びやかな世界とはきっぱりと隔たった、地道に働いて生きる人々の姿を覗き見るような心温まる異世界トリップだってこんなに素敵じゃないか、と――そう改めて思わせてくれるような、ほのぼのとして優しいお話でした。
異世界には何も、王様や貴族ばかりが住んでいるわけじゃない。町があって、自治体があって、青年団や警察がいて、そしておいしいパン屋さんだってある。そこには、私達が普段過ごしているような、平凡だけれど本当はかけがえのない、当たり前の日常が存在しているはず。
そうした、非日常だけれど日常的な異世界で始まっていく悠馬の生活には、たくさんの優しい人達が現れます。
悠馬自身も初めの頃は言葉も覚束なくて、周囲とのコミュニケーションに四苦八苦。でも、おじいちゃんに大事に育てられた彼は、精神が健やかなんですよね。だから、真剣に頑張る様は読んでいてどこか楽しく、時に微笑ましかったです。

タイトルからもわかるように、パン屋さんのお話なのですが、夜中に読むとほかほか焼き立てパンが脳裏から離れなくなってしまって大変危険です。悠馬の焼いたパンがぜひとも食べてみたい!
アップルパイ食べながら、悠馬に「はちみちゅ」とか言ってもらいたい(笑)
おいしそうな食べ物がおいしそうに描写されたお話が、とっても大好きです。

あ、じい様スキーの方には、にまにましながら読んでいただける魅力たっぷりなおじい様も二大巨頭で登場しますよ、と最後に!
 

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(掲載サイト:GO MAD 三郷せの様) 長編 完結

がさつで野良犬のような少女・由紀は、片思いをしていた男の子から告白されて付き合うことに。
血統書つきのラブラドルのような彼に釣り合う女の子になりたいと、一念発起した由紀の努力の日々が始まるが――。

読み始めは「甘酸っぱい青春ものかなぁ」と思っていたのですが、……あ、あれ?(笑)
前半と現在連載中の辺りとのギャップがものすごいです。なんというか、濃い!
最初はあまじょっぱいけど普通の恋をしていたはずなのにね。主人公さん、どんどん変な方向に大変になっていっちゃう(笑)

由紀の恋のお相手は、クラスメイトのかっこいい男の子。弱い心を隠してつっぱってた由紀は、彼の優しさにころりと恋に落ちてしまう。
恋一つで、どうせ私なんて、とそれまで見向きもしなかったオシャレもメイクも頑張っちゃう由紀だけど、果たして野良犬とラブラドルの恋はうまくいくのか?
――という、一つの恋の行く末とその後のお話。

えー、どこまでが安全圏でどこからがネタバレになるのか悩みつつのご紹介となりましたが、率直に面白かったです!
落とし穴つきの恋模様、ぜひとも読んでみてくださいませ。

(掲載サイト:Olive Cafe 七瀬礼帷様) 長編 連載中 一部R18  ※書籍化により掲載終了

獣人とのクォーターであるリンネアは、故郷の島で気ままな絵描き生活の中、事件に巻き込まれてしまう。
祖父の伝手で獣人始末屋の男・アルフォンソの保護を受け、共に都会で暮らすことになるのだが――。

近未来風の異世界恋愛ファンタジー。世界観的には現代に近いです。
さて、まず何と言っても、お兄さんもといアルフォンソがかっこいい!
色気たっぷりな大人の男で、仕事柄危険な香りを身にまとう影のある男――なのですが、ご多分に漏れず非常に女性受けが良い。でも女タラシじゃなくて女泣かせってところがいいですね。
境遇ゆえに恋愛に対して及び腰のリンネアが、気持ちを押し殺そうとしながらもどんどんアルフォンソに惹かれていく気持ちがよくわかる。
餌付けされるアルフォンソ、大人の男なのにたまにちょっと可愛いですよ。

リンネアとアルフォンソの関係って、勝負に似てる気がします。
彼ら自身にその意識があるかどうかはさておき、リンネアが落ちるのが先かアルフォンソが負けるのが先か、っていう。
ぜひともここはリンネアに踏ん張っていただいて、アルフォンソを打ち負かしていただきたいところですが!

こちらのサイト様の作品は、ストーリー中に作者様の描かれたイラストが挿絵として挟まれているのですが、この挿絵もまた素敵です。
すごくスタイリッシュで、作品の世界を情景として思い浮かべやすい。
イラスト付きのWEB小説は得手不得手あるものですが、個人的にこの絵ならアリだと思いました。むしろ、ばんばん入れてくれても嬉しいです。

(掲載サイト:翠風館 洸海様) 長編 完結

かつて闇の眷属との戦いに勝利し、大陸に栄えた巨大な帝国。
その栄華はいつまでも続くかに思えたが、闇の魔手は確実に、大陸の端・辺境から忍び寄っていた。
粉屋の息子・フィンは故郷を奪われ、家族と共に救いの手を求めて都へと旅立つ。彼は幾多もの出会いと別れを経ながら、次第に混迷の時代の中心へと巻き込まれていき――。

以前ご紹介させていただいた「青の魔術師」と同じサイト様の作品です。

平凡な一国民であったはずのフィンを主人公に、帝国のひとつの時代を描いた壮大な歴史FT。
作者様は「地味なファンタジー」だと語っていらっしゃいますが、確かに主人公のフィンはあまり派手なところのない青年です。
妹曰く「「墓石みたいにクソ真面目」で「死んだ魚より退屈」。けれど、彼の真面目ゆえにことを真正面から見据える性質や、心優しいがゆえに遠慮がちになってしまう性格、私はとても好ましいものだと思いました。
妹にどれほどずけずけ言われても、笑って許してしまえる度量の深さ。その妹の言葉の奥底にある愛情を疑わないでいられる心の温かさと家族への信頼。
どれほど過酷で凄惨な状況にあっても、「たとえ何があっても決して裏切らない、絶対の味方」である家族が共にいるから、フィンは安心して辛いことにも臨めるんだろうなぁと思います。

夜にのみ現れる、人間ではない不思議な少女・レーナ。彼女は途中から旅に同行し、フィンと心を通わせて絆を結ぶことになるのですが、彼女がまた可愛いのです!
ほわほわとしていて、人間の世界に不慣れで。それでも純粋な心でいちずにフィンを慕って、厳しい旅の中で、レーナは読み手にとってもある種のオアシスとなってくれた気がします。
フィンとレーナのちょっとずれた会話のやり取りにぷっと噴出してしまいました。

とっても長いお話ですが、その分読み応えもたっぷりあって面白いです!

(掲載サイト:双月界 凍雅様) シリーズ 長編 完結

神殿の養い子であるオニキスにある日突然命じられた役目は、神である竜皇と人とを繋ぐ巫女候補。
年齢も条件も満たないその抜擢は、体のいい厄介払いだった。
選択肢のない彼女は、言われるがまま儀式に臨むこととなるのだが――。

先日ご紹介させていただいた竜皇女シリーズと同世界・異大陸のお話で、心温まるほのぼのとしたファンタジーです。
主人公は若干11、2歳の少女。幼い頃に行き倒れていたところを前神殿長に拾われたという経歴の持ち主で、それより以前の記憶を持ちません。
そんな小さな女の子と蒼く輝く鱗を持つ竜皇との、不器用で優しい心の触れ合いが描かれています。

オニキスは可愛らしいし、へたれ属性を窺わせる竜皇もすごくいいですが、そのほかの脇キャラクターたちもとっても生き生きとしていて楽しい。
代表的なのが、オニキスに礼儀見習いその他もろもろを教えてくれる保護者である女侯爵のソイエですね。彼女は可愛らしい容姿に反して大変な女傑で、誰よりもオニキスの味方となってくれる女性です。
本編はオニキス視点で話が進むので詳細というか舞台裏が語られることはないのですが、外伝にて披露されるソイエの姿は強烈ですし、竜皇を相手に歯に衣着せぬ物言いはとってもかっこいい!

お話としては、第三部にて完結済み。竜好きの方でも、年の差コンビ(カップル?)がお好きな方でも、十分に楽しめる作品かと思います。

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