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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:no-seen flower 由紀様) 長編 完結

大学生の雫はある日不思議な穴から異世界へ落ちてしまう。
そこは魔法が当たり前に存在する世界。
彼女はエリクという魔法士の協力を得て、彼とともに元の世界へ帰る方法を求める旅に出るのだが――。

以前ご紹介させていただいた>「Unnamed memory」より数百年後の世界を舞台とした、同じサイト様の作品です。
ネット上に異世界召喚系の作品は星の数ほどあれど、こちらは中でも群を抜いて秀逸な作品だと思います。
雫は三人姉妹の真ん中で、個性の強い上と下に挟まれ、曖昧な己の立ち位置に悩みを抱えています。そんな彼女が突然異世界に飛ばされてしまい、エリクという相棒とともに大陸中を駆けずり回るのですが…やがて彼女は大きな真実を知ります。大陸の歴史から消え去った真実、魔法大国に眠る真実、己の身に潜む真実、あらゆる真実を。
読み終わった時の読後感とインパクトには、何ともいえぬものがありました。

ストーリーにも深みがあり複雑なつくりではありますが、展開自体は読者にわかりやすいシンプルな筋道に沿って進んでいきますので読みにくさは感じません。色んな小ネタが効いていて、あとでわかった時に「あ!」とかにやりと笑える部分がたくさんあるのも面白かったです。
一度目は何も知らないがゆえに、二度目はすべてを知っているがゆえに作中に散りばめられた数多の伏線に目を留めて楽しめる、二度三度とおいしい作品だとも思います。ミスリードの仕方なども作者さんのセンスと腕がこれ以上なく発揮されていて、非常に衝撃を受けました。
キャラクターもいいですね!
雫も目覚しい成長を遂げて日に日に逞しさとマイペースさを増していくようでしたが、あれは間違いなくエリクの影響もあったのではないかと。彼は彼で我が道を行くタイプというか、なかなか他人には理解しにくいテンポを持つ人なので、あの二人のコンビはもうとっても大好きです。
本編完結後も何かと弄られ遊ばれ愛でられる不憫の人、ニケの登場にもご注目を(笑)

男女コンビが主役のお話ではありますが、本編では恋愛色は限りなく薄いです。というより、あの時点ではほとんど恋愛は絡んでこないといってもいいと思いますので、そういったラブストーリーが苦手な方にもオススメです。

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