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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:御伽草紙 吉田和代様) 長編 完結

新米刑事の三枝がコンビを組む相手は、検挙率は抜群なれど一癖のある性格で周囲を振り回してくれる先輩刑事・芦屋。
サイレントキラーと呼ばれる連続殺人犯が世間を賑わす中、二人は闇金にまつわる自殺を担当するが――。

普段WEB小説ではあまり読まないタイプの作品だったのですが、シリアスな中にも芦屋の破天荒な行動や三枝の若さゆえの青臭さなど、時にふっと笑えるようなエピソードが挟まれていてとても面白かったです。
三枝と芦屋のコンビがいいですね。芦屋の行動に振り回されたり何とかそれをフォローしようと頑張る三枝には応援したくなりますし、そんな芦屋がたまに先輩らしく三枝を導く時には微笑ましさを感じたり。
推理ものではないけれど、単なる刑事ものでも主人公の成長物語でもない。
あえて挙げるなら「刑事もの」なのかもしれませんが、それら全ての要素が絡み合った上に、最後に訪れるどんでん返しがさらに作品に深みを与えているように思います。
そのどんでん返しの的であるとある人物の心理に共感できるか否かはともかく、それに至るまでの経過には如実に現代の社会というものが表れているというか――ひどく、難しい問題だなぁとも感じます。

こちらのサイトさまには、この他にも現代コメディやSF、ミステリーからFTに至るまで様々な作品が掲載されています。
ジャンルに囚われない才能というものも、すごいなぁと思いますね。

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(掲載サイト:STUDIO DRAGON-web ふじみひろ様) 長編シリーズ 連載中

士官学校を卒業したばかりの新米仕官、エビネ・カゲキヨ。
出世街道を約束されていたはずの彼が受け取った初の着任地は、なぜか事前に通達されていた場所ではなく、「流刑地」とまで呼ばれる遠く離れた基地だった。
戸惑いながらも向かった<森の精>基地にて、彼は二人のグレムリンと出会うことになる――。

いやー、楽しかったです。
この作品は数年前に一度読んだことのあるものだったのですが、改めて読み返してみてもやっぱり面白いですね。
何と言っても一番の魅力はグレムリンたち!
「グレムリン」とは、機械に悪戯をする妖精のこと。この作品では、そんなグレムリンが二匹、主人公であるエビネくんを巻き込んでひっちゃかめっちゃかな大活躍をしてくれます。
ヴァルトラントとミルフィーの大人顔負けの頭脳や行動力には爽快さを覚えますし、何よりそんな中で折々に見える年相応の子どもらしさがとっても可愛らしい。
その二人を取り巻く大人たちもまたいい味を出してます。
普段はグレムリンたちに振り回されているようでいて、肝心のところではしっかりと大人としての余裕や懐の深さを併せ持っているあの大人たちに愛されているからこそ、子ども二人がのびのびと暮らせているのだなぁと思いました。
とはいえ、末恐ろしい子どもではあるのですが(笑)

ジャンルとしてはSFにカテゴライズされるのですが、どこかSFらしくないファンタジックな雰囲気にも包まれていて、小難しい専門用語が並ぶSFはちょっと苦手、という方にもおすすめの作品です。

(掲載サイト:Sorazoko 時岡らぎ様) 長編 完結

偶然、街中でほんのささいな接触を持っただけの二人の少女、由井と陽菜子。
片や世界の均衡を保つ巫女として望まれ、方や誰にも知られず誰を頼ることもできずに、彼女たちは突然異世界へと落ちてしまう。
多くの謎は歴史の奥底に秘められたまま、やがて二人の境遇は大きく動き出し――。
異世界召喚・迷い込み系のファンタジーです。

この作品はある意味、ダブル主人公と言えるでしょうか。
私は自然と、陽菜子よりも由井に共感…というか、彼女の視点で読み進めていましたけれど、決して由井だけのお話でもないように思います。
片側から見るだけでは、ひどく王道的な異世界召喚ストーリーかもしれません。
陽菜子が周囲から望まれれば望まれるほど、由井の境遇が浮き彫りにされて、その対比こそがこの作品の最大の特徴のようにも感じられました。どちらの側にしても、「犠牲」というものが根幹になっているのかもしれません。
最終的に二人がそれぞれに辿り着く先もまた、対照的です。
というか、あの結末にはびっくりしました!
えっ、そこに繋がるの!? という――思い返してみれば、確かに気になる描写のされ方だったようにも。

キャラクターもいいですね。
由井はとある豹に似た獣と心を通じさせるのですが、両者が出会って暫くの間森の中で過ごす日々は、その後のシビアな展開の中でもささやかな癒しになっていました。人の子と獣という組み合わせ自体がまずもって大好きなのです(笑)
互いの名前についてのあれこれも、何だか心くすぐられました。
イェグランとアズフィリアのカップルも、彼らの立場や行動からすれば意外なほど、私は好きだなぁと思える二人でした。最初の頃はううーん、と眉を顰めつつも、彼らの結末そのものやその心情を思うと、切ないなぁ、と。

由井と陽菜子の二人に関して、恋愛要素は限りなく低いものの、全くないとも言い切れない。
このレビューもどきは本編だけを読み終わった直後に書いていますので、後日談や番外編でその辺りが描かれているのかどうかわからないのですが、少なくとも本編については、恋愛的なストーリーがあまりお好みでない方でも楽しんで読んでいただけるのではないでしょうか。

(掲載サイト:夢が跡。 ゴーストライダー様) 中編 完結

小学生のタカヒロにとってたった一人の大切な友だちは、ハルガという名前の妖精だった。
共働きの両親は忙しくて家ではいつも一人ぽっちだったが、ハルガがいるからタカヒロは寂しくない。
けれど、少しずつタカヒロも大人になっていく。
子どもにしか見えない妖精と人間の男の子の友情、そしていずれ訪れる別れの物語。

ほのぼのと優しく、ちょっと切ないお話でした。
長い間を生きてきたハルガだけれど、その中で誰かと一緒に過ごせる時間というのはとても貴重なもので、だからこそ自分を大事な友だちだと言ってくれるタカヒロの存在はハルガにとっても特別なもので。
タカヒロが少しずつ精神的に成長していく様を見守るハルガの、別れを覚悟しながらもタカヒロの中の「子ども」を愛しく思うその気持ちが切なかったです。

この作品では、ほとんどの子どもが小学生のうちにハルガを見れなくなってしまいますが、実際に子どもが大人への第一歩を踏み出す瞬間っていつなんでしょうね。
少し、考えさせられる部分もありました。

(掲載サイト:言ノ葉化粧 桐央琴巳様) 長編 完結

王家に仕える若手の近衛騎士であるヴァンシナと、彼の休暇に便乗してその故郷を訪れるランディ。
そして、村人から魔女と呼ばれ疎まれる美しい娘フレイアシュテュア。
互いに惹かれあうランディとフレイアだが、ランディの持つ大きな秘密ゆえにヴァンシナは大切な『妹』であるフレイアの幸せを願いながらも、その恋路を素直には祝福できず――。

結構な長編ですが、あまりの面白さに一気に読み進めて読破してしまいました。
恋愛物のFTなのだからフレイアが主人公なのかな、と思いながら読んでいたのですが、どちらかというと主人公はヴァンシナに当たるのでしょうか。
ランディの秘密に関しては、読者にとってはかなりわかりやすい書かれ方をされています。だからこそ、ヴァンシナの(それこそ胃痛を引き起こすほどの)苦労に苦笑いしながら同情を覚え、彼の立場からランディとフレイアの恋の行方をドキドキしながら見守っているような、そんなスタンスで読んでいたように思います。
それにしても、この作品は面白い趣向になってますねー。
通常でいうところのヒーローとヒロインに当たる二人ではなく、第三者であるヴァンシナの視点がかなり大きい。
ちょっと変わっていて、新鮮味があるなと思いました。
教会のみんなの家族としての強い絆にはほんわりと和み、とある方の毒舌と先回りするかのような手配に惚れ惚れとし、要所要所に挟まれる切れのいいコメディタッチな描写に吹き出す。
シリアスとコメディ、そして恋愛要素とそれ以外のバランスが絶妙に私好みの、楽しい作品で大満足です。
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