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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:Empyrean 鷹野遙様) 長編 完結

吸血鬼を狩ることを生業としているローザ。
だが、一人の吸血鬼との出会いが彼女の人生を狂わせていく――。

元々ヴァンパイア物は大好物なのですが、中でもこの作品は独特の優雅さ・陰鬱さを感じさせる上質なダークファンタジーだと思います。
人間と吸血鬼、光と闇。
それそのものに善悪はなく、けれど決して相容れぬ世界です。けれど、だからこそ強く惹かれるのかもしれません。
 
ローザは戦う女性ですが、男性的かというとそうではなくて、ちゃんと女性らしさも当たり前のように持っている人です。作品の雰囲気がそれを更に際立たせるんですが、どこか上品で凛としていて、芯の強い女性。
容姿云々ではなく、読んでいて「綺麗な人だな」と私は感じました。
ヴォルフラムも素敵なキャラクターですね。
一見すれば、孤独を秘めながらも傲岸に闇の世界に君臨する、ある意味ありきたりなキャラクター性ともいえるのですが、それだけで終わらない。その王道的なキャラクター性をヴォルフラム自身が己のものとして内包し、確固たる自我へと確立しているような。作者さまの腕なのだなぁと思います。
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(掲載サイト:no-seen flower 由紀様) 長編 完結

魔法が当たり前に存在する世界、大陸では永い時と強大な力を有する五人の魔女がおり、人々から畏れられていた。
最強の魔女と呼ばれる「青き月の魔女」ティナーシャと、ファルサス王太子・オスカーの、運命のお話。

同じ世界の異なる時代を描いた作品が他にもいくつか掲載されているのですが、まずはこの作品から。

壮大で緻密な世界観がすごいです。
魔法に関しても細かくその使用の仕方や理論が定められていて、各所で展開する魔法戦の描写が、安定感がありなおかつスピード感にも溢れ、素晴らしいように思います。
ストーリーに関しても深く細部まで練りこまれ、ありきたり感がない。一から十まで理解しようと思うと読む方も相当に読み込む必要が出てくるのですが、そのための説明も不足はないので楽しみの一つにできる。
もう、大好きな作品です。

数百年を生き孤独の中にあるティナーシャが、オスカーと出会うことで精神的に変化していきます。
ティナーシャの過去を知った時にはとても悲しくなって、数百年を経て得ることができた温かくて満たされた環境――オスカーはもちろん、彼女を慕うたくさんの人たちに囲まれた――が、とても切なく感じました。

そうそう、途中のあのどんでん返しには見事に引っ掛かりましたね(笑)
ええ、そう来るの…!?と。それまでにこの世界へどっぷりと嵌りこんでいたせいも多分にあるのでしょうが、何だか騙された感がひしひしとありました。それがまたこの作品を味わう醍醐味、でもあったのですけれど。
登場人物たちの生死とはまた別の、この先どうなるのかわからない、というようなハラハラがものすごく大きかったです。

長い長い運命の歴史の物語、これまで読んできた数多のWEB小説の中でもcoco的殿堂入りを問答無用で果たす、とにかく素晴らしい作品です。
数百年後の大陸を舞台とした「Babel」もすでに完結していまして、こちらもお薦めです。
二つ合わせれば二倍おいしい、そんな感じで(笑) 世界観を味わうのってこんなに面白いものなんだ、と改めて知りました。
ブログで披露される小ネタや裏話などもひそかに楽しみの一つです。
(掲載サイト:春眠堂 不二 香様) 短編連作シリーズ 連載中
 
――滅ぼせるものなら、滅ぼしてみろ。
時は中世、フランスの片田舎に一人の吸血鬼が屋敷を構えていた。
暗黒都市の番犬であり、太陽も銀の弾丸も恐れない彼の名は、シャルロ・ド・ユニヴェール。

とにかく楽しいです。
デフォルトで傲岸不遜、ありえないくらいに普通じゃない吸血鬼のユニヴェールはもちろんのこと、彼の屋敷に勤めるメイドのパルティータや、昼は人間夜は猫で自称亡国の王子であるルナール、ヴァチカンや暗黒都市の面々などキャラクターがとっても個性豊かで面白い人たちばかり。
ユニヴェールは愛すべきキャラクターですね。実際にお知り合いになりたいとは思いませんけれど(笑)
そんな彼が、雇い主だというのに全く持って適わないメイドのパルティータも大好きです。あの守銭奴っぷりや毒舌っぷりが爽快。

この作者さんのセンスはすごいなぁと思います。
この作品は実際の歴史を背景としていますが、他には和風から洋風まで様々なファンタジーを書いていらっしゃいます。
どれをご紹介させていただこうかすごく迷ってしまったくらい、すべての作品が大好きです。
パルティータと同列に並ぶくらい、レベッカ・ジェラルディにも惚れました(笑)
(掲載サイト:kanan Deco(古宮 由貴)様) 長編 完結

その平原の西と東には、猫と人間がそれぞれの歴史を紡ぎながら暮らしていた。
長い歴史の中で互いに干渉することのなかった両者だが…。

緻密で壮大な世界観の元に織り上げられた、素晴らしいSF長編ファンタジーです。
狩猟民族として自然と共に生きる猫族たち、主人公はその猫族の一人である剣という青年なのですが、この物語は彼や彼を取り巻く猫と人間たちの戦いの物語であり、成長の物語でもあるのだと思います。
登場する人々一人ひとりに様々な過去があり、願いがあり、悲しみがあり、そして思惑がある。そういった一つ一つが交差しあって一つの歴史となり、未来へと続いていく。
私たちが生きる現実の世界も、そうだと思います。
誰か一人が中心となって回っているのではなく、誰もが自分だけの人生を生きながら、それらすべてをひっくるめて一つの歴史なのだと。

この作品は全三章構成で成っていて、原稿用紙にして千枚弱という長い物語なのですが、それを感じさせないくらいに面白く、気がついた時にはこの世界にのめりこんしまっていました。
読後の余韻もまた、素晴らしかったです。
既に完結しており、DL版も用意されています。
(掲載サイト:Barroco 千花鶏様) 長編 完結

両親の死により天涯孤独となった少女に残されたのは、何と親の借金一億ウン千万円。
借金を肩代わりしてくれたおじさまの家に居候することになったが、その家の住人たちは揃いも揃って超絶美形。
個性豊かな「家族」たちと過ごす、少女の新たな日常のお話。

主人公・遊(ゆとり)の名台詞、「神さまを殴ってやる」が大好きです。
彼女の性格をこれ以上なく簡潔に表しているような気がします。何があってもめげない、強い女の子。
太陽みたいに眩くて、健康的で、誰かの道しるべや導き手となれるような女の子って素敵だなぁと思います。辛いことや悲しいことに押しつぶされることなく、ちゃんと前を向いて歩いていけるような、遊はそんな女の子ですね。
彼女と出会えた妹尾家の面々は、とっても幸運だったに違いない。
そういえば、何気に棗お姉さまの恋人さんが気になります。いつかどこかで出てこないのかなぁと、ひっそりこっそり期待していたり。

現在連載中の作品で、すでに100話を超えた大長編の異世界FTも同時にオススメさせていただきます。
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