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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:Sorazoko 時岡らぎ様) 長編 完結

偶然、街中でほんのささいな接触を持っただけの二人の少女、由井と陽菜子。
片や世界の均衡を保つ巫女として望まれ、方や誰にも知られず誰を頼ることもできずに、彼女たちは突然異世界へと落ちてしまう。
多くの謎は歴史の奥底に秘められたまま、やがて二人の境遇は大きく動き出し――。
異世界召喚・迷い込み系のファンタジーです。

この作品はある意味、ダブル主人公と言えるでしょうか。
私は自然と、陽菜子よりも由井に共感…というか、彼女の視点で読み進めていましたけれど、決して由井だけのお話でもないように思います。
片側から見るだけでは、ひどく王道的な異世界召喚ストーリーかもしれません。
陽菜子が周囲から望まれれば望まれるほど、由井の境遇が浮き彫りにされて、その対比こそがこの作品の最大の特徴のようにも感じられました。どちらの側にしても、「犠牲」というものが根幹になっているのかもしれません。
最終的に二人がそれぞれに辿り着く先もまた、対照的です。
というか、あの結末にはびっくりしました!
えっ、そこに繋がるの!? という――思い返してみれば、確かに気になる描写のされ方だったようにも。

キャラクターもいいですね。
由井はとある豹に似た獣と心を通じさせるのですが、両者が出会って暫くの間森の中で過ごす日々は、その後のシビアな展開の中でもささやかな癒しになっていました。人の子と獣という組み合わせ自体がまずもって大好きなのです(笑)
互いの名前についてのあれこれも、何だか心くすぐられました。
イェグランとアズフィリアのカップルも、彼らの立場や行動からすれば意外なほど、私は好きだなぁと思える二人でした。最初の頃はううーん、と眉を顰めつつも、彼らの結末そのものやその心情を思うと、切ないなぁ、と。

由井と陽菜子の二人に関して、恋愛要素は限りなく低いものの、全くないとも言い切れない。
このレビューもどきは本編だけを読み終わった直後に書いていますので、後日談や番外編でその辺りが描かれているのかどうかわからないのですが、少なくとも本編については、恋愛的なストーリーがあまりお好みでない方でも楽しんで読んでいただけるのではないでしょうか。

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