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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:More than words 河東悠美様) 長編 完結

ある日、夫が帰ってこなくなった。
祝福してくれる人も少ない中で結婚した也美と哲也。新婚半年で家出をした夫の帰りを待ちながら、也美は弟の聡明や同僚の修平くんに支えられて日々を過ごしていく。

とても静かで優しい言葉たちによって紡がれる、切なくもふんわりとした素敵な恋愛小説だなぁと思いました。
初めにこの作品を読んだのは、もう何年も前のことです。ふと思い出した時に読み返したくなるお話というのは、このサイトさまに置かれている作品のどれもに共通するのですが、中でもこちらは印象深いものだったりします。
ラブストーリーという言葉の持つ甘さはないかもしれませんが、しんと静寂に満ちた夜の月明かりのようなお話です。

也美さんという女性は、とにかく「待つ」ひとです。
けれど、悲しいこと辛いことを心の内側に隠して何でもないような顔で微笑む強さを持つひとでもあります。
彼女が高校時代に出会って一生を共にしようと決意した相手、哲也は逆に、弱いひとだったのかもしれません。その弱さは、彼がそれまでずっと傷つけられてきたゆえのもので、その傷を癒すことも忘れることもできずに、結局也美をも傷つける結果になってしまった。
修平くん(どうしても、くんをつけて呼んでしまいます/笑)もまた過去に傷を持っていますが、彼はとても安定したバランスのひとですね。まさに癒し、です。

読み終わった瞬間に、ほう、とため息をついてゆったりとお茶でも飲みたくなりました。

この作品は、「Babyleaf」という別のお話ともリンクしていまして、作中の出来事も少しずつ繋がっています。
聡明と、彼が家庭教師をしている女子高生の女の子が出てくるのですが、こちらもお薦めです。女の子の等身大でリアルな心情が、とても素直に描かれていて、「月満ちたり~」とはまた違った素敵さを持つ作品です。

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