忍者ブログ
Admin / Write / Res
 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

(掲載サイト:死海の林檎 たかしょう様) 各話完結シリーズ 長編 連載中

マノンの街でお針子をしている孤児の少女、シシィ。
奇妙な疫病の噂で浮き立つ中、不思議な客人を一晩家に泊めてしまったことから、彼女は疫病を恐れた街のお偉方によって森へ置き去りにされてしまい――。

主人公は若干11歳の少女、彼女はとある事情によって美しく冷酷と噂されるマノン領主の庇護を受けることとなるのですが、その二人のどう頑張っても噛み合わないほのぼのとした会話が面白い。
11歳にして「何事も諦めが肝心」などと自分に言い聞かせてしまうシシィの苦労がしのばれます(苦笑)
我が道をゆくマノン領主のアマデウスが、まるで子どもが飼い犬を構うようにシシィを可愛がる姿も微笑ましいですが、実際自分がシシィのような扱いをされたら、なんて考えると相当に居心地悪いでしょうねぇ。少しずつそれに慣らされていってしまうシシィがちょっと哀れにも感じますが、シシィとの交流によってアマデウスに現れる小さな変化も楽しみの一つかと。
アマデウスははっきり言ってロリコン疑惑一歩手前のような気もしますが、彼は彼で邪な下心とも無縁な人なので、その分シシィとの関係は時に子ども同士がおままごとをしているような微笑ましさを感じさせるのかもしれません。うーん、でも今後どうなるかは不明なのかな。
もはや日常の光景となった餌付けシーンがお気に入りです。

PR

(掲載サイト:翠風館 洸海様) 長編 完結

治安局に勤務する魔術師のカゼス=ナーラ。
擬似人格を有する知性体リトルヘッド「リトル」をお供に、ひょんなことから飛ばされた先はデニスと呼ばれる見知らぬ場所で――。
へっぽこ魔術師が偉大なる青の魔術師と呼ばれるまでを描いたライトFT。

cocoイチオシの作品です。
カゼスは元々、太陽系第3惑星ミネルバにある国に暮らしています。彼はそこで治安局の魔術師として生計を立てているのですが、これがまた働きぶりは些か精彩を欠いたもの。リトルに叱り飛ばされながらマイペースに生活していたところを、事故とも言うべき事態からタイムトリップをしてしまいます。
辿り着いた国デニスで、彼は伝説の魔術師と勘違いされた末に王家の宝物の盗難事件に関わったり、デニス建国を目指して若き王を助けたりと流されるがままに騒ぎに巻き込まれていくのですが――。
まず、カゼスという人物が大好きになりました。性格は自分に自信が持てずに後ろ向きな癖、お人よしで向こう見ず、どこまでもマイペースであったりと何気に魅力的な人。とは言え、一番のお気に入りはアーロンだったりするので…うーん、色々と読み進める上で内心大騒ぎだったりもしたのですが。
第三部作で構成されており、全編通すとかなりの大長編なのですが、その分どっぷりと世界観に入り込むことも出来ますし、FTがお好きな方でしたらぜひとも読んでみていただきたい作品です。
一応、恋愛要素も絡んできます。それが主軸ではありませんが、非常に重要な要素になっているとも思います。

(掲載サイト:雨の庭 深海いわし様) 長編 完結

天翔ける羊様の伝説が伝わるシェリープ王国。
主人である姫君の婚儀によってその国へやってきた侍女・リーニ。他国での王宮勤め自体にはすぐに馴染んだ彼女なのだが、筆頭騎士のエレウスだけは、どうしても怖くてうまく話ができず――。
主人公・リーニが綴る日記形式の恋愛FT。

何ともほのぼのとしたラブコメディですね。
素朴な小国の気風そのものがまず穏やかなようで、羊が場内を飛んだり跳ねたりするのが日常光景という。しかも誰もが「羊さま」と敬称つきで語るところがまたほのぼの。
読んでいるだけで癒されます(笑)
リーニの鈍さもまた爆弾級でした。彼女の一人称ともいえる日記形式の語り口でも、それに振り回されるエレウスの様子がまざまざと窺えるような気がします。
とっても楽しいお話でした。

現在は本編と同時間軸でもある、エレウス視点のこれまた日記形式による番外編が連載中なのですが、そちらも更新が待ち遠しいです。

(掲載サイト:Sorazoko 時岡らぎ様) 長編 完結

偶然、街中でほんのささいな接触を持っただけの二人の少女、由井と陽菜子。
片や世界の均衡を保つ巫女として望まれ、方や誰にも知られず誰を頼ることもできずに、彼女たちは突然異世界へと落ちてしまう。
多くの謎は歴史の奥底に秘められたまま、やがて二人の境遇は大きく動き出し――。
異世界召喚・迷い込み系のファンタジーです。

この作品はある意味、ダブル主人公と言えるでしょうか。
私は自然と、陽菜子よりも由井に共感…というか、彼女の視点で読み進めていましたけれど、決して由井だけのお話でもないように思います。
片側から見るだけでは、ひどく王道的な異世界召喚ストーリーかもしれません。
陽菜子が周囲から望まれれば望まれるほど、由井の境遇が浮き彫りにされて、その対比こそがこの作品の最大の特徴のようにも感じられました。どちらの側にしても、「犠牲」というものが根幹になっているのかもしれません。
最終的に二人がそれぞれに辿り着く先もまた、対照的です。
というか、あの結末にはびっくりしました!
えっ、そこに繋がるの!? という――思い返してみれば、確かに気になる描写のされ方だったようにも。

キャラクターもいいですね。
由井はとある豹に似た獣と心を通じさせるのですが、両者が出会って暫くの間森の中で過ごす日々は、その後のシビアな展開の中でもささやかな癒しになっていました。人の子と獣という組み合わせ自体がまずもって大好きなのです(笑)
互いの名前についてのあれこれも、何だか心くすぐられました。
イェグランとアズフィリアのカップルも、彼らの立場や行動からすれば意外なほど、私は好きだなぁと思える二人でした。最初の頃はううーん、と眉を顰めつつも、彼らの結末そのものやその心情を思うと、切ないなぁ、と。

由井と陽菜子の二人に関して、恋愛要素は限りなく低いものの、全くないとも言い切れない。
このレビューもどきは本編だけを読み終わった直後に書いていますので、後日談や番外編でその辺りが描かれているのかどうかわからないのですが、少なくとも本編については、恋愛的なストーリーがあまりお好みでない方でも楽しんで読んでいただけるのではないでしょうか。

(掲載サイト:言ノ葉化粧 桐央琴巳様) 長編 完結

王家に仕える若手の近衛騎士であるヴァンシナと、彼の休暇に便乗してその故郷を訪れるランディ。
そして、村人から魔女と呼ばれ疎まれる美しい娘フレイアシュテュア。
互いに惹かれあうランディとフレイアだが、ランディの持つ大きな秘密ゆえにヴァンシナは大切な『妹』であるフレイアの幸せを願いながらも、その恋路を素直には祝福できず――。

結構な長編ですが、あまりの面白さに一気に読み進めて読破してしまいました。
恋愛物のFTなのだからフレイアが主人公なのかな、と思いながら読んでいたのですが、どちらかというと主人公はヴァンシナに当たるのでしょうか。
ランディの秘密に関しては、読者にとってはかなりわかりやすい書かれ方をされています。だからこそ、ヴァンシナの(それこそ胃痛を引き起こすほどの)苦労に苦笑いしながら同情を覚え、彼の立場からランディとフレイアの恋の行方をドキドキしながら見守っているような、そんなスタンスで読んでいたように思います。
それにしても、この作品は面白い趣向になってますねー。
通常でいうところのヒーローとヒロインに当たる二人ではなく、第三者であるヴァンシナの視点がかなり大きい。
ちょっと変わっていて、新鮮味があるなと思いました。
教会のみんなの家族としての強い絆にはほんわりと和み、とある方の毒舌と先回りするかのような手配に惚れ惚れとし、要所要所に挟まれる切れのいいコメディタッチな描写に吹き出す。
シリアスとコメディ、そして恋愛要素とそれ以外のバランスが絶妙に私好みの、楽しい作品で大満足です。
最新CM
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
Copyright ©   お薦めWEB小説紹介処 All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  *Photo by Kun  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]