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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:Due persone 蜥蜴野散歩道様) 完結済み シリーズ継続中

王を頂点とする王国であり、汚染された大地から抜け出した人々の住まう浮遊する都市、ファイラン。
電脳魔導師と呼ばれる国の守護者の一人、「スティール・ブレイド」の通り名を持つ青年・ハルヴァイトと、彼の恋人であり「誰にも触れられない」ミナミ。
ふたりの恋と、都市を揺るがす隠された真実のお話。

私が昔から大好きな作品のひとつです。
満を持して、ではないですが…何とか感想をまとめられそうだな、と感じましたのでご紹介を。

この作品の魅力といえば、電脳魔導師という特殊な設定もそうですが、ハルヴァイトとミナミというふたりのキャラクターではないかと思います。
常識はずれの実力を持ち、その過去から周囲の人々に距離をとられながらも、実は意外と愛されちゃっているハルヴァイト。彼がその目に映す世界はとても特殊なもので、それゆえに彼自身、世界を「睥睨」することが常となっています。
そんなハルヴァイトにとって唯一といってもいいほどに特別な存在が、ミナミという青年。
過去の境遇ゆえにミナミは他人に触れることができません。それでいて、人々の目を集めずにはいられない独特の空気をまとうミナミと、彼の傍らに寄り添い続けるハルヴァイトの関係性そのものが、作品にある種の色を添えているように感じました。
ハルヴァイトと彼の隊に所属する仲間たち、ミナミと周囲の人々との軽快で絶妙なやり取りも楽しい。
特にミナミは作中最上位に輝く突っ込み属性の人なので、彼が不在の会話が尻切れトンボに終わっちゃうところなどもついつい噴出してしまう。
誰もがひとりひとり、様々な事情を抱えている。その上で成り立つ交友関係と愛情、人の縁、そういったものが複雑に絡み合いながら展開していきます。
錯綜する人間関係、その繋がりを思うとすごく面白かったです。
人と人との繋がりを世界に置き換えると、やっぱり広大なものなんだよなぁと思います。

電脳魔導師というかなり特殊でオリジナルの設定が使われているので、最初のうちは理解しづらくて戸惑うかもしれません。
けれど、読み進めていくうちに不意にどっぷりとはまり込んでいることに気づかされる。あの設定だからこその、このお話なのですね、きっと。
今までに何度読み返したかわからないほど、私にとっては思い出した時にぐっと読み直したくなるようなお話です。
とにかく大好き。

ひとつ注意点として、主人公であるハルヴァイトとミナミはふたりとも男性です。
同性同士の恋愛を扱ってはいますが、BLとカテゴライズするのもちょっと違うかなぁと思います。BLが苦手な方がどう感じられるのか私にはちょっと判断しづらいのですが、意外とこれなら平気!って方も多いんじゃないかと思います。
ファイランは年齢制限ありませんが、サイト内には年齢制限のかけられた作品も置かれています。そちらもご留意の上でご訪問をお願いします。

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(掲載サイト:no-seen flower 由紀様) 長編 完結

大学生の雫はある日不思議な穴から異世界へ落ちてしまう。
そこは魔法が当たり前に存在する世界。
彼女はエリクという魔法士の協力を得て、彼とともに元の世界へ帰る方法を求める旅に出るのだが――。

以前ご紹介させていただいた>「Unnamed memory」より数百年後の世界を舞台とした、同じサイト様の作品です。
ネット上に異世界召喚系の作品は星の数ほどあれど、こちらは中でも群を抜いて秀逸な作品だと思います。
雫は三人姉妹の真ん中で、個性の強い上と下に挟まれ、曖昧な己の立ち位置に悩みを抱えています。そんな彼女が突然異世界に飛ばされてしまい、エリクという相棒とともに大陸中を駆けずり回るのですが…やがて彼女は大きな真実を知ります。大陸の歴史から消え去った真実、魔法大国に眠る真実、己の身に潜む真実、あらゆる真実を。
読み終わった時の読後感とインパクトには、何ともいえぬものがありました。

ストーリーにも深みがあり複雑なつくりではありますが、展開自体は読者にわかりやすいシンプルな筋道に沿って進んでいきますので読みにくさは感じません。色んな小ネタが効いていて、あとでわかった時に「あ!」とかにやりと笑える部分がたくさんあるのも面白かったです。
一度目は何も知らないがゆえに、二度目はすべてを知っているがゆえに作中に散りばめられた数多の伏線に目を留めて楽しめる、二度三度とおいしい作品だとも思います。ミスリードの仕方なども作者さんのセンスと腕がこれ以上なく発揮されていて、非常に衝撃を受けました。
キャラクターもいいですね!
雫も目覚しい成長を遂げて日に日に逞しさとマイペースさを増していくようでしたが、あれは間違いなくエリクの影響もあったのではないかと。彼は彼で我が道を行くタイプというか、なかなか他人には理解しにくいテンポを持つ人なので、あの二人のコンビはもうとっても大好きです。
本編完結後も何かと弄られ遊ばれ愛でられる不憫の人、ニケの登場にもご注目を(笑)

男女コンビが主役のお話ではありますが、本編では恋愛色は限りなく薄いです。というより、あの時点ではほとんど恋愛は絡んでこないといってもいいと思いますので、そういったラブストーリーが苦手な方にもオススメです。

(掲載サイト:TEAR DROP. zero-zero / 椎堂かおる様) 長編 連載中

長い戦いに終止符を打ち、停戦したエルフの四種族。
その和平の証としてひとつの学院に集められた、それぞれ王位継承権を持つ王子たち。
停戦の絆はもろく、いつ命が危うくなるとも知れぬ日々のなかで、王子たちは互いに親しみ、傷にふれ、友情を育んでいく。

とても重厚な、正統派のファンタジーかと思います。
登場するキャラクターはまず皆がエルフなのですが、神が白と黒の卵を生み出してそこからエルフが誕生したという神話によって、戦争の傷だけでなく人種差別という問題も含んだ作品となっています。
人質の王子たちはまだ全員が十代の子どもばかり、中には深く心に傷を持つ子もいて、それまでを全く違う文化、風習の中で暮らしてきたのですから、当然のことながら年が近いからといって簡単に分かり合えるものでもない。そんな中で彼らが少しずつ歩み寄ったり、世界を知ったり、ときにはぶつかり合いながら心を通わせていく過程がとても心に染み渡ります。
様々な争点を抱いた壮大で重厚なストーリーですが、安定した文体と世界観がそれらを支えていて、地に足の着いたどっしり感を感じさせてくれます。

とても長いお話で、まだ未完結の作品でもあります。
けれど、いつまでも先を楽しみに待ちたいお話だとも思いました。

(掲載サイト:白夜城 かいとーこ様) 長編 連載中

邪眼の魔女の異称を持ち、数百年を生きる悪名高き魔女、ヴェノム。
彼女と、彼女の弟子たち、そして彼らを囲む個性豊かな面々のお話。

とにかくキャラクターがいいです!
個性豊かという言葉の域を超えているというか、まず何よりもひとりひとりのキャラが際立って魅力的です。
その筆頭がやはりお師匠様であるヴェノムなのですが、鉄面皮といわれるほどの無表情で無口な彼女が、意外と家庭的に弟子を可愛がる姿ですとか、いいなぁと思いますね。ちゃんとお母さんです。
根っこの展開がいくらシリアスでも、笑いを忘れないところもいいです。
キャラクター同士の掛け合いとか口喧嘩とか、とにかくテンポがよくて小ネタが利いていて、読んでいて非常に楽しい作品だと思います。

(掲載サイト:文よろず 由島 こまこ様) 長編 連載中

親友の家で見つけた不思議な石に触れた瞬間、スウは見知らぬ森にいた。
結界によって閉ざされたその森で、彼女は一人の無垢な少年と出会う。
邂逅に潜む意味をこの時はまだ誰も知らず、後にそれは二つの世界を巻き込む嵐と化し――。

ジャンルとしては異世界召喚系のファンタジーですね。
ただ、単純に異世界だけで進んでいくストーリーではなく、第2部からは現代であるこちらの世界も大きく関わってくる点がちょっと異色かなという印象を受けました。
主人公であるスウは異世界へ渡った際になぜか髪が真っ白に変わっていて、結界の張られた森に閉じ込められているために少年・デュークとしか親交が持てません。特殊な環境で育ってきたデュークは無垢であるからこそスウを拒絶することもなく、互いの孤独が共感するかのように仲良くなっていきます。
第1部のこの辺りは、裏や一歩先には暗い事情が控えてはいても、どこかほのぼのと温かみのある穏やかな日常が感じられました。
うーん、だからこそ後の展開や明かされる真実が辛くもあるんですよね。
重いテーマ性を持つ作品だからこそ、スウやデュークにはちゃんと平穏な幸福が訪れてほしいなぁとも思いました。

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