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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:翠風館 洸海様) 長編 完結

かつて闇の眷属との戦いに勝利し、大陸に栄えた巨大な帝国。
その栄華はいつまでも続くかに思えたが、闇の魔手は確実に、大陸の端・辺境から忍び寄っていた。
粉屋の息子・フィンは故郷を奪われ、家族と共に救いの手を求めて都へと旅立つ。彼は幾多もの出会いと別れを経ながら、次第に混迷の時代の中心へと巻き込まれていき――。

以前ご紹介させていただいた「青の魔術師」と同じサイト様の作品です。

平凡な一国民であったはずのフィンを主人公に、帝国のひとつの時代を描いた壮大な歴史FT。
作者様は「地味なファンタジー」だと語っていらっしゃいますが、確かに主人公のフィンはあまり派手なところのない青年です。
妹曰く「「墓石みたいにクソ真面目」で「死んだ魚より退屈」。けれど、彼の真面目ゆえにことを真正面から見据える性質や、心優しいがゆえに遠慮がちになってしまう性格、私はとても好ましいものだと思いました。
妹にどれほどずけずけ言われても、笑って許してしまえる度量の深さ。その妹の言葉の奥底にある愛情を疑わないでいられる心の温かさと家族への信頼。
どれほど過酷で凄惨な状況にあっても、「たとえ何があっても決して裏切らない、絶対の味方」である家族が共にいるから、フィンは安心して辛いことにも臨めるんだろうなぁと思います。

夜にのみ現れる、人間ではない不思議な少女・レーナ。彼女は途中から旅に同行し、フィンと心を通わせて絆を結ぶことになるのですが、彼女がまた可愛いのです!
ほわほわとしていて、人間の世界に不慣れで。それでも純粋な心でいちずにフィンを慕って、厳しい旅の中で、レーナは読み手にとってもある種のオアシスとなってくれた気がします。
フィンとレーナのちょっとずれた会話のやり取りにぷっと噴出してしまいました。

とっても長いお話ですが、その分読み応えもたっぷりあって面白いです!

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(掲載サイト:双月界 凍雅様) シリーズ 長編 完結

神殿の養い子であるオニキスにある日突然命じられた役目は、神である竜皇と人とを繋ぐ巫女候補。
年齢も条件も満たないその抜擢は、体のいい厄介払いだった。
選択肢のない彼女は、言われるがまま儀式に臨むこととなるのだが――。

先日ご紹介させていただいた竜皇女シリーズと同世界・異大陸のお話で、心温まるほのぼのとしたファンタジーです。
主人公は若干11、2歳の少女。幼い頃に行き倒れていたところを前神殿長に拾われたという経歴の持ち主で、それより以前の記憶を持ちません。
そんな小さな女の子と蒼く輝く鱗を持つ竜皇との、不器用で優しい心の触れ合いが描かれています。

オニキスは可愛らしいし、へたれ属性を窺わせる竜皇もすごくいいですが、そのほかの脇キャラクターたちもとっても生き生きとしていて楽しい。
代表的なのが、オニキスに礼儀見習いその他もろもろを教えてくれる保護者である女侯爵のソイエですね。彼女は可愛らしい容姿に反して大変な女傑で、誰よりもオニキスの味方となってくれる女性です。
本編はオニキス視点で話が進むので詳細というか舞台裏が語られることはないのですが、外伝にて披露されるソイエの姿は強烈ですし、竜皇を相手に歯に衣着せぬ物言いはとってもかっこいい!

お話としては、第三部にて完結済み。竜好きの方でも、年の差コンビ(カップル?)がお好きな方でも、十分に楽しめる作品かと思います。

(掲載サイト::双月界 凍雅様) シリーズ 長編

一年三か月の平穏の末に、クラウスは竜皇女アルスによって五度目の『捕獲』をされた。
今までであれば即座に連れ戻されていたというのに、なぜか今回はクラウスの元に留まり入り浸るアルス。不思議に思いながらも数日が過ぎたある日、遺跡に立ち入った学生が負傷するという事件が起こり、クラウスとアルスはその調査を行うことに――。

主人公は冴えない魔技術師の青年クラウスと、竜皇女のアルスティア。
ある意味凸凹カップル、でしょうか。ぱっと見はとっても地味なクラウスと豪奢な迫力美人のアルス、頭脳労働専門のクラウスと、頭で考えるより体を動かす方が得意なアルス。でも結局は、破れ鍋に綴蓋といっては悪いかもしれませんけど、似たものカップルというか互いに補い合う関係というのか。

出会って親しくなってお付き合いに発展、という恋愛の王道展開とはちょっとずれてるような、普通にキスもスキンシップもするのに恋人未満な二人が、でも傍目には普通の恋人同士のようにいちゃいちゃしてる、そんなエピソードが好き。
お仕事モードではきりっとかっこいいのに、クラウスの前では理性的な仮面がぽろっと剥がれて慌てたり怒ったりしているアルスが可愛いかったです。

魔法も竜もばっちり出てくる王道的なファンタジーで、作風もいい感じにさらりとしていてとても読みやすかったです。
 

(掲載サイト:猫のあしあと。 nekoi様) 長編 完結

小さく平穏な村、ベイシーコートにある日ふたりの魔術師がやってきた。
男装の麗人キースと、その弟子である青年シーン。都で何らかの不祥事を起こしたといわれているが、優秀な魔術師であるキースの元には数々の依頼や厄介な事件が舞い込み――。

一応の前置きつきで女性主人公であるキースですが、中々に癖の強いキャラクターでした。
何といっても女性でありながら男装の麗人、そして女好き。美しい女性と見れば声を掛け、しかもそれが表向きのことでも何でもなく正真正銘に同性愛者であるというのですからまた。
でもキースに限らず、もうひとりの主人公とも言うべき弟子のシーンも、表層の下には根深い歪みを抱えていて、誰もが単純には量れないキャラクターであることなどが面白いなとも思いました。
一話完結形式で、毎回彼らの元に持ち込まれたり押し付けられたりする事件を通してストーリーは進んでいきます。それぞれに複雑かつ重いキースとシーンの過去も次第に絡んでくる。キースの人格形成に関わる事情や、シーンが彼女の弟子となった経緯などが露になっていくのですが、何がしかの事件が起きてそれを解決し終わり、とはならない。
本編は完結済みで第二部を開始する可能性がある、ということですが、確かにまだ謎めいた部分や解決されずにいる問題などが山積しているので、ぜひ今後を楽しみにしたいなぁと思っています。
毎回キースに女性体へされては襲われ、何とか抵抗し続けているシーンの今後も気になるところで(笑) どうにかなっちゃうのでしょうかね、彼らは!

TS要素が含まれること、また番外編にはR18のものもあるのでご注意ください。

(掲載サイト:Good-Bye, Dear My Little Lover... 月城 憂様) 長編 完結

美しい宝石のような目を持つ子どもたちは、ただひとりのためだけに誕生し、生き、死んでいく。
どことも知れぬ世界で繰り広げられる、狂おしき愛憎の物語。

まるで鳥篭のような世界観、そこを満たす生と死と愛情がすごく印象に残る作品です。
殺し屋が夜の街角で白髪に赤い目をした兎のような子どもを拾うところから物語りは始まり、一幕ずつ過去へ遡ることで明らかになっていく真実に、いつしか飲み込まれるようにして読みふけっていました。
構成が面白いな、とも思いましたね。
主人公が幕ごとに移り変わっていく、けれど根っこの部分はひとつで、語られているのはひとりの男とそして宝石たちの人生で。
初めは宝石たちの視点からストーリーを見ていたので『彼』もそれに準じた存在だったのですが、三幕目でやられました!
読んでいる最中は、とにかく圧迫感と閉鎖的な空気が息苦しいほどで、ものすごく辛い。痛いと言ってもいい。けれど、同じだけすごく切なくなる悲しいお話だとも思いました。
面白かった、と単純に言い切るには重苦しいお話でしたが、私はこういう世界観好みです。
ちなみに何となく殺し屋の狼さんが好きだ!

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