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(掲載サイト:静かに光が満ちていく 小田桐直様) 長編 連載中
小笠原陽子は保険外交員として働く25歳。
数ヶ月前に彼氏に振られて以来、仕事に没頭する日々を送っていたある日、彼女の元に見合い話が舞い込む。
面倒に思いながら赴いた先で待っていた男は、何となく見覚えのある顔をしていて――。
すごくすごく、良い意味で普通のお話だなぁと思いました。
普通の男の人と女の人が、普通な毎日の中で、普通に恋をしているお話。
小笠原陽子さんも奥村高志さんも、ふと街で辺りを見渡したらすぐ近くを歩いていそうな人たちで、それがものすごく肌に馴染むような読み心地でした。
みんな、飾ったところがないんですね。例え方が少しおかしいかもしれませんが、写真みたいなお話だと思いました。スタジオ撮影じゃなくて、散歩中に何気なく撮られた風景写真やポートレートみたいな。目に映ったものを、曲げず弄らずそのまま映したような、写真。
ストーリー展開を盛り上げる事件や人間関係も、現実に身近で起こりそうなものだったり、よくあるものだったりで、派手さはないかもしれない。でも、現実ってこういうものだよね、と納得しちゃう感じで(というより、身近にありえるかもって思わせられるところがすごいのかも)。
そんな中で、主役である小笠原陽子と奥村高志の二人が、すれ違ったり思い悩んだり、時に互いに対して苛立ったりしながら心を通わせていく、空気感のあるお話です。
後ですね。舞台となるのは北海道、主に札幌なのですが、街の描写がものすごくリアルで目の前に実際に映像が浮かぶようでした。
もしかして、作者さんが実際に住まれていたのかな?(わかりませんが!)
時代的には数年前になるので、現在の街の様子とは結構異なるらしいですが、だからこそ登場人物たちが、物語の中でだとしてもものすごく生き生きして感じられるような気がしました。
ファッションビルの名前や電車の路線名だとかがそのまま描写されていると、何だか彼らの行動だとか生活の様子をリアルに想像しやすくて、すごいなあ、いいなあと思いました。
面白かったです!