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 Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life.   ―――Mark Twain
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(掲載サイト:朝霧と露風の国 朝霧露風様) 長編 完結

顔も知らない祖父が亡くなって、リディアはライムパークという大きな屋敷を相続することになった。
単なる元メイドには到底不似合いなその屋敷、赴いてみれば、そこには貴族然とした精霊がいて――。

20世紀初頭の英国が舞台ということで、時代的には以前ご紹介した「ジョン・エリオットの日誌」と同じ頃ですね。
あちらは男性執事が主人公でしたが、こちらの作品は元メイドの女の子が主人公。ですが、お屋敷を相続したことで主人の不興を買って解雇されてしまうので、使用人生活はあんまり出てきません。その代わり、紳士的でお堅い精霊との交流や、環境の激変に四苦八苦しながらもめげない頑張り屋なヒロインの悪戦苦闘(主に屋敷の修繕など)の日々がつづられます。

ヴィクトリア朝からエドワード朝に変わり、新たな風とともに時代が移り変わっていこうとしている、そのさなか。
リディアもそんな時代を生きる職業婦人らしく、自立したリアリスト――まだ若いことを考えると、そんな女性を目指して懸命に前を見据える女の子、といった印象です。
ストーリー展開としては、精霊であるミスター・ナイトレィの謎を追う形にもなっていて、最後はちゃんとラブストーリーとしての締めもしっかりある。
ある意味ではシンデレラ…というか、サクセスストーリーとも言えるでしょうか。

ガッシーの三流役者のようなあたふたとした立ち回りに妙に笑いを誘われました。というか、ガッシーって何だかペットの名前みたいだと思ったの私だけでしょうか。ほら、ラッシーみたいな。

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(掲載サイト:ワカメノ浅知恵 ちなこ様) 長編 完結

時は大正、吉原遊郭で太夫の座につく汀は香春郭一の遊女だった。
幼い頃に親類に売られた彼女には、太夫として日々を過ごす中で唯一こころに住まわせる人がいた――。

とても切ない、恋愛小説です。
和司と再会するまでの汀は、どこか亡羊と夢の中でまどろむようにして暮らしている雰囲気があり、それがどこか浮世離れした穏やかさとなってほかの遊女たちとは違うように思わせる。現実を見ていないというか、周囲のあらゆるものや己自身に対してまで、とにかく何ら執着心を抱けずにいるよう。過去の思い出を胸に、このまま遊郭で客の相手をしながらいつか静かに死んでいくのだろう、という諦めの境地にいるんですよね。
彼女の遊女としての名は「汀(みぎわ」というのですが、これはみなぎわ、水際のことを指す言葉です。夢とうつつの境目、そして生と死の境目に身を置く彼女自身をさりげなく指し示す名前のように感じられました。女将は、何を思ってそう名づけたんだろう、とも思います。

情感豊かでしっとりとした、素晴らしい恋愛小説だと思いました。

(掲載サイト:ゆらゆら屋 深見鈴鹿様) 長編 完結

邪馬台国の女王・日巫女の後継者候補として育てられた少女、台与(とよ)。
ある重大な秘密を抱える彼女は、やがて大陸の貴人と彼に付き従う謎の青年、真男志(まなし)に出会う。
その邂逅をきっかけとして、台与は過酷な運命を歩み始め――。

古代日本を舞台とした恋愛FT。タイトルは「まかかやくやまと」と読みます。
日本の歴史としては誰もが小学生の頃に習う時代ですが、この時代を取り扱ったWEB小説…とくに恋愛ものともなると、少ないような気がします。
台与の抱える秘密、そして彼女とその周囲の人々との関係、真男志の正体。読み進める中で、キャラクターたちが追う謎を私も一緒に追い求めていました。とてもドラマチックな展開で、恋だけでなく、台与の激動の人生そのものを楽しむことができます。
この作品を読むまで、私自身、邪馬台国時代には大した興味を持ってはいなかったのですが、何となく意識が変わったような気がしました。邪馬台国時代って面白いかも、と。

…しかし、台与って12歳なんですよね。
うーん、もちろん時代性はありますけど…どうなんだ、男二人!(笑)

(掲載サイト:裏庭の午睡 早瀬千夏様) 一部PG12 シリーズ

ジョン・エリオットは准男爵の称号を持つアンダーソン家に仕える青年執事。
主人一家や己の取りまとめる使用人たちに囲まれた、彼の慌しく賑やかな日々の記録。

舞台となるのは、二十世紀初頭の英国です。
アンダーソン一家が住まうのは、田舎にあるカントリーハウス。厳しい世情の波に押され、人手不足にあえぐアンダーソン一家の執事・エリオットを主人公に、英国上流階級とその使用人たちの日常生活を描いた作品です。
貴族の生活といえば優雅なものをイメージしますが、それも全ては使用人たちの働きあってのもの。執事とは言っても、エリオットは先任の執事から引き継いで間もなく、年も二十七、小さな失敗を繰り返しながらも、恩ある主人に尽くそうと頑張る姿が何だか等身大に感じました。
一番初めは、作品の紹介を兼ねた一作「執事エリオットの平穏なる一日(仮)」から読み始めることをオススメします。掲載順イコール時系列ではないので、これ以降はお好きな順番でいいかと思いますけど。
てんやわんやのお仕事ぶりだけでなく、一家との関係や恋のお話なども見逃せない。

(掲載サイト:籬の花 絵里衣様) 長編 完結

江戸は吉原一の遊女・なよ竹は、その美貌や意気と共に、誰にも帯を解かぬことで知られている。これと見込んだ男でなくば肌は許さぬ、その気風のよさが逆に評判を生み、いまや押しも押されぬ人気だ。
そんなある日、京から商屋の若旦那が訪れる。彼の従者・龍次の傍若無人な物言いに初めは反発していたなよ竹だが――。

江戸時代の吉原を舞台とした恋愛小説です。
何はともあれ、なよ竹がいい! 江戸の女らしい気風のよさに、高級遊女としての矜持の高さ、けれど龍次の前では16歳の少女らしい顔を覗かせる。
作品中で何度も素晴らしい啖呵を聞かせてくれるのですが、かっこいい女の子だなぁと思いました。
加えて、これは若干ネタばれになってしまうかなぁと心配しつつなのですが、二度三度と面白いミスリードや謎が秘められた作品でもあります。単になよ竹と龍次が両思いになって終わり、ではない。
吉原遊郭という特殊な世界を扱っているので、ある程度の専門用語は出てくるのですが、噛み砕いた表現や読者を理解へ導く流れが作られていたりもしますので、難解な印象はありません。
ちなみに作品のベースは「竹取物語」、なよ竹のモデルは高尾太夫なのだそうです。
この両者が混ぜ合わさると、こういうキャラクターが作られるんだなぁと思うと面白いですね。

この作品に年齢制限は掛けられていませんが、サイト内の他作品には一部R15相当の描写が含まれます。閲覧の際はその点ご留意ください。

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